枠にはめるな
[2010年09月29日(水)]
問
主人公寿賀子は自分の人生を振り返ってどういうことを考えたか.6字以内でまとめよ.
上記の文は私の愛読書「国語入試問題必勝法」のクライマックスのクダリだが,私はこのような「○○文字以内で書き上げる」ことが必要なシチュエーションになると,大昔の苦い思い出が頭の中によみがえって口元だけ苦笑してしまう.
その苦い思い出とは,小学1年生の学年末文集を作る際のこと.私が通っていた小学校では各学年に作文のお題を出して全校児童の作文を綴じて文集にするイベントがあって,お題は毎年変わりその年の1年生へのお題は「将来の夢を20字以内で書きなさい」だった.
当時7歳のMura少年は色々と将来の夢があって,王選手の様なホームランバッターにもなりたいし,テレビに出てくる役者さんにもちょっと興味があったので作文すること自体はなんら問題がなかったのだが,難題は「20文字以内で自分の将来を表現する」ということ.
当時の作文の苦悩を振り返ってみるとこんな感じだった.
まずは思いをそのまま書いてみる.
ぼくのしょうらいのゆめは,王選手の様なホームランバッターです.
(31文字)
ダメだ.小学1年生でもできるような簡単な引き算,10文字以上もオーバーしている.なんとかして減らさなければ.
1年生全員が「将来の夢」を書いているので,上の句は冗長なので試しに削ってみる.
王選手の様なホームランバッターです.
(18文字)
20文字以内という要件は満たしているが,これではサスガに何がホームランバッターなのかが読み手に伝わらない.やはり上の句は必須だ.
となると,次の工夫として下の句の「です」を削ってみる.
ぼくのしょうらいのゆめは,王選手の様なホームランバッター.
(29文字)
ちょっとは少なくなったが,まだまだ多すぎる.
この際,王選手のような他を圧倒する記録的なホームランバッターは諦めることとして書き直してみる.
ぼくのしょうらいのゆめは,ホームランバッター.
(23文字)
随分少なくなってきたがまだオーバーしている.しかし普通に考えてこれ以上は削る部分は見つからない.
ここからはカンナで薄皮を剥いでいくような作業の次元に突入することになる.
改めて指折り数えてみると,上の句と句点読点を除くと6文字しか残っていない.
こうなっては仕方が無いのでMura少年は作戦を変更して6文字で表現できる将来像を列挙してみる.
かしゅ(3文字)
花屋さん(4文字)
学校の先生(5文字)
けいさつかん(6文字)
・・・
どれもピンと来ないまま期限がやってきて,結局提出したのはこんな夢.
ぼくのしょうらいのゆめは,バスの運転手.
(20文字)
句読点を含めてピッタリ20文字で収まったので自分の中ではやりきった達成感があった覚えがあるが,それに加えて「果たして自分は本当にバスの運転手になりたいのか?」という自問と「他の人はどうやって6文字で自分の将来を表現したのだろう」という好奇心で満ち満ちていた覚えもある.
そして出来上がった文集を開いてみて自分の工夫の足りなさに愕然とする.
同級生の将来の夢はこんな感じ.
つよいおすもうさんになりたい.(15文字)
きれいなおよめさんになりたい.(15文字)
おいしいパン屋さんになりたい.(15文字)
ピンクレディーみたいになりたい.(16文字)
ジュリーのようなかしゅになりたい.(17文字)
確かにこれなら上の句がなくとも「自分の夢」を表現できている.何故「なりたい」という便利な平仮名4文字が思い浮かばなかったのだろうか?後悔の念が頭の大部分を埋め尽くした.
しかしながら,本当の衝撃はそんなちっぽけな工夫ではなかった.忘れもしない「橋本さん」の将来像を読んだときは子供ながら頭を思いっきりブン殴られた感じになった.
正確に覚えているわけではないが,肩まで髪を伸ばしてちょっとオマセさんだった橋本さんの夢を再現してみるとこんな感じ.
わたしはピアノをならっているので,中学生になったらすいそうがくぶに入ってフルートをやりたいです.そして大きくなってピアノがもっとじょうずになったらピアノの先生になりたいです.でもケーキ屋さんにもなりたいし,テレビでうたうかしゅにもなってみたいです.
(64文字)
自分がやりたいこととルールとを天秤に掛けた時,場合によってはルールを破っても良いんだと小学生ながら学べたのは非常に大きな体験だったと思う.
だから,「○○文字以内で書く」という場面に会うと天真爛漫な橋本さんの顔が頭に浮かんでしまうのだ.
さて,
最近のラウンドで私のドライバーは右に左に曲がりまくっている.
フェアウェイはおろかラフさえもとらえることは難しくなり,崖下・山の上のOB杭の向こう・池の中等に打ち込んでしまうことになる.
アイアンは結構グリーンをとらえるのだから,あとはティーショットの行方がある程度の枠にはまって欲しい.
主人公寿賀子は自分の人生を振り返ってどういうことを考えたか.6字以内でまとめよ.
上記の文は私の愛読書「国語入試問題必勝法」のクライマックスのクダリだが,私はこのような「○○文字以内で書き上げる」ことが必要なシチュエーションになると,大昔の苦い思い出が頭の中によみがえって口元だけ苦笑してしまう.
その苦い思い出とは,小学1年生の学年末文集を作る際のこと.私が通っていた小学校では各学年に作文のお題を出して全校児童の作文を綴じて文集にするイベントがあって,お題は毎年変わりその年の1年生へのお題は「将来の夢を20字以内で書きなさい」だった.
当時7歳のMura少年は色々と将来の夢があって,王選手の様なホームランバッターにもなりたいし,テレビに出てくる役者さんにもちょっと興味があったので作文すること自体はなんら問題がなかったのだが,難題は「20文字以内で自分の将来を表現する」ということ.
当時の作文の苦悩を振り返ってみるとこんな感じだった.
まずは思いをそのまま書いてみる.
ぼくのしょうらいのゆめは,王選手の様なホームランバッターです.
(31文字)
ダメだ.小学1年生でもできるような簡単な引き算,10文字以上もオーバーしている.なんとかして減らさなければ.
1年生全員が「将来の夢」を書いているので,上の句は冗長なので試しに削ってみる.
王選手の様なホームランバッターです.
(18文字)
20文字以内という要件は満たしているが,これではサスガに何がホームランバッターなのかが読み手に伝わらない.やはり上の句は必須だ.
となると,次の工夫として下の句の「です」を削ってみる.
ぼくのしょうらいのゆめは,王選手の様なホームランバッター.
(29文字)
ちょっとは少なくなったが,まだまだ多すぎる.
この際,王選手のような他を圧倒する記録的なホームランバッターは諦めることとして書き直してみる.
ぼくのしょうらいのゆめは,ホームランバッター.
(23文字)
随分少なくなってきたがまだオーバーしている.しかし普通に考えてこれ以上は削る部分は見つからない.
ここからはカンナで薄皮を剥いでいくような作業の次元に突入することになる.
改めて指折り数えてみると,上の句と句点読点を除くと6文字しか残っていない.
こうなっては仕方が無いのでMura少年は作戦を変更して6文字で表現できる将来像を列挙してみる.
かしゅ(3文字)
花屋さん(4文字)
学校の先生(5文字)
けいさつかん(6文字)
・・・
どれもピンと来ないまま期限がやってきて,結局提出したのはこんな夢.
ぼくのしょうらいのゆめは,バスの運転手.
(20文字)
句読点を含めてピッタリ20文字で収まったので自分の中ではやりきった達成感があった覚えがあるが,それに加えて「果たして自分は本当にバスの運転手になりたいのか?」という自問と「他の人はどうやって6文字で自分の将来を表現したのだろう」という好奇心で満ち満ちていた覚えもある.
そして出来上がった文集を開いてみて自分の工夫の足りなさに愕然とする.
同級生の将来の夢はこんな感じ.
つよいおすもうさんになりたい.(15文字)
きれいなおよめさんになりたい.(15文字)
おいしいパン屋さんになりたい.(15文字)
ピンクレディーみたいになりたい.(16文字)
ジュリーのようなかしゅになりたい.(17文字)
確かにこれなら上の句がなくとも「自分の夢」を表現できている.何故「なりたい」という便利な平仮名4文字が思い浮かばなかったのだろうか?後悔の念が頭の大部分を埋め尽くした.
しかしながら,本当の衝撃はそんなちっぽけな工夫ではなかった.忘れもしない「橋本さん」の将来像を読んだときは子供ながら頭を思いっきりブン殴られた感じになった.
正確に覚えているわけではないが,肩まで髪を伸ばしてちょっとオマセさんだった橋本さんの夢を再現してみるとこんな感じ.
わたしはピアノをならっているので,中学生になったらすいそうがくぶに入ってフルートをやりたいです.そして大きくなってピアノがもっとじょうずになったらピアノの先生になりたいです.でもケーキ屋さんにもなりたいし,テレビでうたうかしゅにもなってみたいです.
(64文字)
自分がやりたいこととルールとを天秤に掛けた時,場合によってはルールを破っても良いんだと小学生ながら学べたのは非常に大きな体験だったと思う.
だから,「○○文字以内で書く」という場面に会うと天真爛漫な橋本さんの顔が頭に浮かんでしまうのだ.
さて,
最近のラウンドで私のドライバーは右に左に曲がりまくっている.
フェアウェイはおろかラフさえもとらえることは難しくなり,崖下・山の上のOB杭の向こう・池の中等に打ち込んでしまうことになる.
アイアンは結構グリーンをとらえるのだから,あとはティーショットの行方がある程度の枠にはまって欲しい.



